子猫がわが家にやって来た!
新しい家族を迎えるにあたって、子猫が安全に生活できるように家の中を整え、子猫のためのかご、ベッド、毛布、おもちゃなど、様々な必需品を、わくわくしながら揃えたことでしょう。ふわふわのかわいい子猫を迎えてのこれからの生活は、きっと楽しいことがいっぱいです。そのためにも、しっかりとした栄養を与え、安全で清潔な生活環境を整え、獣医師による定期的な健康診断を受けさせましょう。愛猫が末長く、快適で幸せに暮らせるようにするのが、飼い主の役目です。
子猫の去勢・避妊手術
猫の去勢・避妊手術は、望まれない子猫が増えるのを防止するだけでなく、猫の性格がより穏やかになり、共に生活しやすくするためにも有効だと、多くの獣医師が考えています。メス猫は避妊手術をすると、神経質でなくなり、無邪気で、やさしい性格になります。オス猫は、去勢をすると攻撃性が低くなり、縄張りを示すための「スプレー」(尿マーキング)をあまりしなくなり、徘徊行動や喧嘩の頻度が減少します。さらに、去勢・避妊手術には健康上の利点もあります。メス猫の乳がんやオス猫の前立腺の病気のリスクが低下するのです。
メス猫の避妊手術 では、通常は6カ月齢の頃に、子宮と卵巣を摘出します(それより早期に行うことも可能です)。大きな手術ですので、全身麻酔下で行い、動物病院に1~2泊して実施する場合もあります。合併症が生じることはまれで、手術後は、通常10日以内で完全に回復します。
オス猫の去勢も、全身麻酔下で行い、睾丸を摘出します。手術の傷は小さく、通常はおよそ1週間で治癒します。去勢手術は、メスの避妊手術に比べると簡単で、6カ月齢の頃に、基本的には日帰り、もしくは1泊で行われます。必要に応じて、6カ月齢より早期に行うことも可能です。
子猫の基礎的な健康チェック
子猫が家にやって来たら、なるべく早く獣医師の元へ連れて行きましょう。初回の診察内容は次のようなものです。
この最初の健康診断を通して獣医師は必要な情報を得て、愛猫には現時点でどのような食事とケアが適しているかを、あなたにアドバイスします。また、この基本情報をもとに、獣医師は以後の健康診断で、より的確な健康状態の把握、観察、管理ができるようになります。
子猫に、家に慣れてもらいましょう
丁寧に、愛情をもって、毎日1時間以上接していると、子猫は、あなたにも新しい家にも、ほどなく慣れてきます。小さなお子様のいる家庭では、子猫はおもちゃではなく、やさしく、大切に扱わなければいけない生き物であるということを、しっかりと教えてください。また、猫にはその持ち前の好奇心を満足させるような、面白くて挑みがいのある遊びをたくさんさせてください。特に、“狩り”の真似ごとができるおもちゃや、爪とぎ用の柱(カーペットや家具ではなく)があると、猫は大喜びします。
高齢猫について
高齢猫のケアは、いつ始めたらよいのでしょうか。子猫の時からです。幼い頃から良好な栄養状態を維持し、定期的に獣医師の診察を受け、幸せな生活を送っていれば、老後の生活もより良質なものになります。猫は普通、8歳~10歳で高齢と言われます。人間と同様に、猫も年を取れば、生命維持に必要な臓器の機能が低下していきます。犬に比べて猫は、具合が悪い時や痛みがある時の兆候をはっきりとは見せません。愛猫の様子を注意深く観察して、早い段階で異変を察知し、猫が10年以上長生きできるようにしましょう。
家でできること
あなたの猫は何歳?
よくある問題
肥満 は、深刻な健康リスクです。年を取った猫は運動量が減るため、食事のカロリー量を減らす必要があります。そうすることで、関節への負担を軽減するとともに、心不全、腎臓病、肝臓病、消化不良など、様々な問題のリスクも緩和できます。また、繊維、ビタミンの摂取量を増やし、リン、ナトリウム、蛋白質、脂肪の摂取量は減らすように、食事を調整しましょう。
関節炎 は、関節の動きがわずかに鈍くなるものから衰弱の原因となるものまで、その程度はまちまちです。毛づくろいをあまりしなくなったり、トイレの後始末がいい加減になってきたりしたら、関節炎を疑ってみたほうがよいかもしれません。また、そうした兆候は、認知機能低下の兆しである場合もあります。消炎鎮痛剤を投与すると、痛みを緩和できます。必要な薬は、獣医師が処方してくれるでしょう。
暑さ、寒さに対する耐性がなくなる のは、体温を正常に調節するホルモンの分泌量が減るためです。寝床を、暖かい場所に移動してやりましょう。屋外で飼っている猫の場合は、寒い日には外に出さないようにしましょう。
歯が抜けたり、虫歯になったり すると、咀嚼が難しくなるばかりでなく、厄介な感染症にもかかりやすくなります。猫は、口内の痛みには敏感です。歯を磨いて、いつもきれいにしていれば、歯石や歯ぐきの病気、歯肉炎を防げます。
便秘 は、結腸の障害や毛球症の兆候かもしれません。消化が良く、栄養豊富な食事を与えましょう。
皮膚や体毛の異常が生じることがあります 。年を取ると、皮膚は弾力がなくなり、体毛は薄くなってつやもなくなるため、外傷を受けやすくなります。日頃から毛をブラッシングしてつやを保つようにしたり、脂肪酸サプリメントを与えたりすると、良い効果が期待できます。
頻繁に風邪や感染症にかかる のは、免疫系障害の兆しかもしれません。獣医師による診察をおすすめします。猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスの検査を勧められる場合もあるでしょう。
ひどいノドの渇き は、糖尿病、腎不全、甲状腺機能亢進症の兆候である場合があります。獣医師に診断してもらい、適切な薬の処方を受けてください。
嗅覚が鈍くなる と、猫は食欲が急激に低下します。1日の中で、1回ごとの食事の量を減らし、食事の回数を増やしてみてください。高齢猫用に作られた食事がないか、獣医師に聞いてみましょう。中には、食欲をそそる香りが強化されている食事もあります。
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新しい家族を迎えるにあたって、子猫が安全に生活できるように家の中を整え、子猫のためのかご、ベッド、毛布、おもちゃなど、様々な必需品を、わくわくしながら揃えたことでしょう。ふわふわのかわいい子猫を迎えてのこれからの生活は、きっと楽しいことがいっぱいです。そのためにも、しっかりとした栄養を与え、安全で清潔な生活環境を整え、獣医師による定期的な健康診断を受けさせましょう。愛猫が末長く、快適で幸せに暮らせるようにするのが、飼い主の役目です。
子猫の去勢・避妊手術
猫の去勢・避妊手術は、望まれない子猫が増えるのを防止するだけでなく、猫の性格がより穏やかになり、共に生活しやすくするためにも有効だと、多くの獣医師が考えています。メス猫は避妊手術をすると、神経質でなくなり、無邪気で、やさしい性格になります。オス猫は、去勢をすると攻撃性が低くなり、縄張りを示すための「スプレー」(尿マーキング)をあまりしなくなり、徘徊行動や喧嘩の頻度が減少します。さらに、去勢・避妊手術には健康上の利点もあります。メス猫の乳がんやオス猫の前立腺の病気のリスクが低下するのです。
メス猫の避妊手術 では、通常は6カ月齢の頃に、子宮と卵巣を摘出します(それより早期に行うことも可能です)。大きな手術ですので、全身麻酔下で行い、動物病院に1~2泊して実施する場合もあります。合併症が生じることはまれで、手術後は、通常10日以内で完全に回復します。
オス猫の去勢も、全身麻酔下で行い、睾丸を摘出します。手術の傷は小さく、通常はおよそ1週間で治癒します。去勢手術は、メスの避妊手術に比べると簡単で、6カ月齢の頃に、基本的には日帰り、もしくは1泊で行われます。必要に応じて、6カ月齢より早期に行うことも可能です。
子猫の基礎的な健康チェック
子猫が家にやって来たら、なるべく早く獣医師の元へ連れて行きましょう。初回の診察内容は次のようなものです。
- 猫の健康状態を確認するための入念な身体検査
- 外部寄生虫の有無のチェック(ノミ、ダニ、シラミ、耳ダニ)
- 検便による、内部寄生虫の有無のチェック(条虫、回虫など)
- 最初のワクチン接種、今後必要となるワクチン接種の種類と時期の相談
- 去勢・避妊手術を行うかどうか、行うとしたらいつ行うかの相談
この最初の健康診断を通して獣医師は必要な情報を得て、愛猫には現時点でどのような食事とケアが適しているかを、あなたにアドバイスします。また、この基本情報をもとに、獣医師は以後の健康診断で、より的確な健康状態の把握、観察、管理ができるようになります。
子猫に、家に慣れてもらいましょう
丁寧に、愛情をもって、毎日1時間以上接していると、子猫は、あなたにも新しい家にも、ほどなく慣れてきます。小さなお子様のいる家庭では、子猫はおもちゃではなく、やさしく、大切に扱わなければいけない生き物であるということを、しっかりと教えてください。また、猫にはその持ち前の好奇心を満足させるような、面白くて挑みがいのある遊びをたくさんさせてください。特に、“狩り”の真似ごとができるおもちゃや、爪とぎ用の柱(カーペットや家具ではなく)があると、猫は大喜びします。
高齢猫について
高齢猫のケアは、いつ始めたらよいのでしょうか。子猫の時からです。幼い頃から良好な栄養状態を維持し、定期的に獣医師の診察を受け、幸せな生活を送っていれば、老後の生活もより良質なものになります。猫は普通、8歳~10歳で高齢と言われます。人間と同様に、猫も年を取れば、生命維持に必要な臓器の機能が低下していきます。犬に比べて猫は、具合が悪い時や痛みがある時の兆候をはっきりとは見せません。愛猫の様子を注意深く観察して、早い段階で異変を察知し、猫が10年以上長生きできるようにしましょう。
家でできること
- 猫の口、眼、耳を定期的にチェックしましょう。歯がグラグラしていないか、どこか赤くなっていないか、腫れていないか、膿が出ていないかを確認しましょう。
- 寝床は、清潔に、暖かく保ちましょう。
- 新鮮な水をいつでも飲めるように用意しておきましょう。
- 適切な栄養を与え、愛情を注ぎましょう。
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よくある問題
肥満 は、深刻な健康リスクです。年を取った猫は運動量が減るため、食事のカロリー量を減らす必要があります。そうすることで、関節への負担を軽減するとともに、心不全、腎臓病、肝臓病、消化不良など、様々な問題のリスクも緩和できます。また、繊維、ビタミンの摂取量を増やし、リン、ナトリウム、蛋白質、脂肪の摂取量は減らすように、食事を調整しましょう。
関節炎 は、関節の動きがわずかに鈍くなるものから衰弱の原因となるものまで、その程度はまちまちです。毛づくろいをあまりしなくなったり、トイレの後始末がいい加減になってきたりしたら、関節炎を疑ってみたほうがよいかもしれません。また、そうした兆候は、認知機能低下の兆しである場合もあります。消炎鎮痛剤を投与すると、痛みを緩和できます。必要な薬は、獣医師が処方してくれるでしょう。
暑さ、寒さに対する耐性がなくなる のは、体温を正常に調節するホルモンの分泌量が減るためです。寝床を、暖かい場所に移動してやりましょう。屋外で飼っている猫の場合は、寒い日には外に出さないようにしましょう。
歯が抜けたり、虫歯になったり すると、咀嚼が難しくなるばかりでなく、厄介な感染症にもかかりやすくなります。猫は、口内の痛みには敏感です。歯を磨いて、いつもきれいにしていれば、歯石や歯ぐきの病気、歯肉炎を防げます。
便秘 は、結腸の障害や毛球症の兆候かもしれません。消化が良く、栄養豊富な食事を与えましょう。
皮膚や体毛の異常が生じることがあります 。年を取ると、皮膚は弾力がなくなり、体毛は薄くなってつやもなくなるため、外傷を受けやすくなります。日頃から毛をブラッシングしてつやを保つようにしたり、脂肪酸サプリメントを与えたりすると、良い効果が期待できます。
頻繁に風邪や感染症にかかる のは、免疫系障害の兆しかもしれません。獣医師による診察をおすすめします。猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスの検査を勧められる場合もあるでしょう。
ひどいノドの渇き は、糖尿病、腎不全、甲状腺機能亢進症の兆候である場合があります。獣医師に診断してもらい、適切な薬の処方を受けてください。
嗅覚が鈍くなる と、猫は食欲が急激に低下します。1日の中で、1回ごとの食事の量を減らし、食事の回数を増やしてみてください。高齢猫用に作られた食事がないか、獣医師に聞いてみましょう。中には、食欲をそそる香りが強化されている食事もあります。
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