デンタルケア

猫を守るのはあなたです
深刻な感染症や、その他の病気に対する治療の進歩が著しい中、口腔疾患(特に、歯垢や歯石の蓄積によって起こる歯周炎、歯肉炎などの歯周病)は、猫の健康を脅かす最も多い問題となっています。デンタルケアを適切に行わないと、70%の猫が3歳までに口腔疾患の兆候を示すようになります。適切なケアを行って、愛猫が生涯を通じて健康な歯と歯ぐきを保てるようにしましょう。

ちょっとしたケアが大切です。 

  • 栄養豊富な食事を与えましょう。 愛猫に最適な手作り食のレシピについては、獣医師に相談してみてください。
  • 噛むおやつを与えましょう。
  • 毎日歯磨きをしましょう。
  • 動物病院で、歯の定期検診を毎年受けましょう。


歯の健康は、適切な食事から始まります

ペットに間違った食事を与えると、歯の病気の原因になります。ドライフードを与えると、歯の表面に わずかな摩擦が生じ、放っておくと硬い歯石を形成する細菌プラーク(歯垢)を除去するのに役立つこともあります。 また、ドライフードによって咀嚼運動もでき、歯ぐきも刺激されます。甘い物や人間の食事の残り物も、歯垢や歯石を増やす原因になりますので、与えないようにしましょう。また、血統によっては遺伝的に 歯の病気にかかりやすい場合がありますので、獣医師に歯垢や歯石の蓄積を抑える特別なドライフードを勧められることもあります。

ペットの歯磨き
歯磨きを行うことにより、虫歯や歯石形成の原因となる歯垢を除去し、愛猫の歯肉炎を防ぐことができます。新しい子猫を家に連れて帰ったらすぐに、毎日歯磨きをする習慣をつけましょう。大人の猫にも、歯磨きの習慣を覚えさせることは可能です。歯磨きに少しずつ慣れさせて、歯磨きが楽しみになるように工夫しましょう。歯磨きをしている間は、安心させてたくさん褒めてあげ、歯磨きが終了したら、特別なご褒美をあげましょう。歯磨きの方法は以下のとおりです。

MyVetOnline ペットの歯磨き

ステップ1

• まず、まぐろの煮汁かお湯に指先をつけます。
• その指で、猫の歯と歯ぐきを1~2本やさしくこすります。
• 猫が慣れるまで、この動作を繰り返します。

ステップ2

• 慣れてきたら、ガーゼで覆った指先でステップ1を行うようにし、円を描くように歯をやさしくこすります。


ステップ3

• 次に、歯ブラシを使ってみます。人間用のやわらかめタイプの歯ブラシ か(赤ちゃん用歯ブラシは猫にも適しています)、ペット用歯ブラシ、指歯ブラシ(ゴム製の指カバーの先に小さなブラシが付いたもの)のいずれかを使います。

ステップ4

• ペットが歯磨きに慣れたら、液体またはペースト状のペット用歯磨き剤を使います。こうした歯磨き剤の多くには、クロルヘキシジンまたはフッ化スズが含まれています。どれがよいかは、獣医師に相談してください。人間用の歯磨き剤は、ペットが腹痛を起こすことがありますので使用しないでください。また、歯磨き後に殺菌スプレーや洗口剤を使用するよう、獣医師に勧められる場合もあります。

 


毎年、定期歯科検診を忘れずに
愛猫に正しい食事を与え、毎日の歯磨き習慣を怠らなければ、歯と歯ぐきは健康に保たれます。ご家庭で最適なデンタルケアをするには、まず歯が健康な状態からスタート する必要があります。これには獣医師の力が必要です。
獣医師は、口腔内を検査して、隠れた問題がないか、特に、歯石が蓄積していないかを調べます。歯磨きで歯垢は落とせますが、歯石は取れません。ペットの歯に歯石が見つかった場合は 、獣医師が通常、麻酔をした上で専門的なクリーニングと歯磨きを行います。歯と歯ぐきの境目の歯石を除去した後、フッ素を塗り、最後に家でのケアの方法と 今後の治療方法についてアドバイスを受けましょう。

アドバイス:

  • 噛むおやつは、歯垢の除去と歯ぐきに刺激 を与えるのに役立ちます。
  • 木片にご注意-犬に枝を投げて拾わせたり、猫に木片をくわえさせたりすると、トゲが刺さったり、歯ぐきを傷める原因になります。
  • ペットが石のような固い物を噛まないよう、気をつけてください。歯の摩耗や破損、歯ぐきの損傷、感染症の原因になります。

統計データ:


  • 子猫の26本の乳歯(脱落歯)は、2~3週齢で生えます。30本の永久歯は、3カ月齢頃から生え始めます。
  • 家で飼われる一般的な哺乳類のうち、猫は歯の本数が最少です。
  • 子犬の乳歯は2週齢で生え、42本の永久歯は、3カ月齢から生え始めます。


ページトップに戻る